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バーの利益率

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業界平均と、その振れ幅

赤い印が業界平均、帯の左端が最小ケース、右端が最大ケースです。同じ業態でも立地と規模で数字は動きます。平均そのものより、自店がこの幅のどのあたりに入るかで見てください。

営業利益率
8% 平均 12% 18%
FL比率
50% 平均 55% 65%
原価率
15% 平均 20% 25%
人件費率
30% 平均 35% 40%

バー業界の営業利益率は 8-18%(平均12%)。本ページでは利益率を決める3要素(FL比率・家賃比率・客単価×回転率)を解説し、現場で使える改善の打ち手をまとめます。

業界平均の利益率 (個店ベース)

指標最小平均最大
営業利益率8%12%18%
FL比率(食材+人件)50%55%65%
原価率15%20%25%
人件費比率30%35%40%
カウンターに置かれたカクテルとウイスキー、ナッツの小皿
バーの客単価はグラス2〜3杯とチャージで積み上がります。原価の軽い酒で単価を作れる一方、客数が読みにくいのが利益の振れ幅につながります。客単価4,000円のうち、営業利益として手元に残るのは業界平均で約480円です。(イメージです)

売上100円のうち、いくら残るか

バーの売上を100として、どこにいくら出ていくかを、36業態の中央値と並べたものです。

バー 20 35 33 12 36業態の中央値 35 25 26 14 原価 人件費 家賃・水光熱・その他 営業利益
バーは中央値より2ポイント少ない

数値は当サイトが36業態に置いている想定値です。「家賃・水光熱・その他」は、100から原価・人件費・営業利益を引いた残りで、内訳までは分けていません。単位は%。

バーの利益構造

バーの利益式は 売上 - 酒・食材費 - 人件費 - 家賃 - 水光熱費 - その他経費。立地は繁華街・駅前・オフィス街の隠れ家立地(雑居ビル)が主軸で、立地は「見つけやすさ」より「常連が通いやすい立地」を重視。雑居ビル2-3階の隠れ家路線も成立するという特性があります。バー業界の FL比率平均55%、人件費比率平均35%、原価率平均20%が黒字化の目安となります。

試算で見る バー の利益構造

15坪・18・客単価4,000円・回転率1.5回・営業25日のケース

月商270万円
FL費(食材+人件)148.5万円
家賃35万円
水光熱8万円
その他経費29.9万円
営業利益48.6万円(18%)

バーは高粗利。それでも利益が残らない店がある

バーは、原価率20%と、飲食のなかでも特に原価が低く、粗利の大きい業態です。一般的な飲食店の原価率が30%前後なのに対し、バーはお酒が主役で、そのお酒の原価率が低い。ところが営業利益率は12%と、原価の低さのわりに突出して高いわけではなく、これだけ高粗利でも赤字のバーは珍しくありません。理由は、客単価4,000円・回転1.5回という、単価は高いが席が回りにくい構造にあります。席が埋まらなければ、いくら1杯の粗利が高くても、家賃と人件費を賄いきれません。高粗利を利益に変えられるかは、どれだけ客単価とリピートを積めるかで決まります。

客単価の中身(イメージ)
  • お酒(高粗利) 2800円
  • 軽食・フード 800円
  • チャージ・席料 400円

一例です。お酒とチャージが高粗利の柱で、軽食は原価が高めでも客単価と滞在を伸ばす役割を担います。

バーの高粗利は、4つの仕組みで生まれる

バーが高い粗利を出せるのは、次の4つが重なるからです。ここを設計できているかで、同じ売上でも手元に残る額が変わります。

仕組み中身効き方
お酒の低い原価スピリッツやカクテルは原価率15〜20%ほど。オリジナルカクテルはさらに低い1杯ごとの粗利が大きく、飲むほど利益が積み上がる
チャージ・席料席に着いた時点でいただく料金。席という空間そのものを商品にするドリンク以外の粗利を上乗せし、客単価の底上げになる
ボトルキープボトルを前もって買ってもらい、次回以降に飲んでもらう仕組み先の売上を確保しつつ、再来店の強い動機になる
ワンオペ・少人数マスター1人、または少人数で回せる規模で営業する人件費を抑え、高粗利をそのまま利益に変えやすい

低回転だから、客単価と常連で積む

バーは回転1.5回ほどの、ゆっくり過ごしてもらう滞在型です。ランチのように客を入れ替えて数で稼ぐのではなく、1組にどれだけ気持ちよく飲んでもらい、また来てもらえるかで売上が決まります。だから大事な指標は、客数よりも「客単価」と「再来率」です。2杯目・3杯目やボトル、軽食をどう勧めるか。そして、顔を覚えた接客やボトルキープで常連をどれだけ増やせるか。新規を追いかけ続けるより、通ってくれる常連が売上の土台を支える構造をつくれた店が、安定して黒字になります。軽食(フード)は原価率が30〜40%とお酒より高いものの、客単価を上げ、長く滞在してもらう呼び水として効きます。

感覚経営から、数値経営へ

バーは、月商の目安が300万〜500万円、利益率は10〜30%ほどとされ、月商200万円なら利益は20万〜60万円程度が一つの目安です(立地と規模で大きく変わります)。この利益を残すには、コスト管理が欠かせません。指標としてよく使われるのがFLR比率で、材料費(F)を売上の35%以内、人件費(L)を20%以内、家賃(R)を15%以内に抑え、合計が70%を超えると危険域とされます。バーは原価が低くワンオペで人件費も抑えやすいぶん、この比率を守りやすい業態です。感覚で仕入れて感覚で回すのではなく、原価率・客単価・客数を毎月記録し、ドリンクの提供動線や仕込みの無駄を少しずつ削る。この小さな改善の積み重ねが、年間では数十万円単位の利益差になります。

バーの利益率を伸ばした成功事例

バー業界の現場で利益率改善に成功した3つのパターンです。シナリオ・伸びた要因・再現条件を併載しているため、自店との適合性を判断できます。

固定客中心運営:開業半年でリピート率55%・新規CPAゼロ

シナリオ雑居ビル2階18坪・席数16の隠れ家立地で開業、客単価4,500円・回転率1.3回・月商234万円。バーテンダーが顔・名前・好みを覚える接客を徹底、開業半年でリピート客比率55%・固定客40名超え。新規集客のCPAが事実上ゼロになり、月商280万円・営業利益率17%へ。

伸びた要因隠れ家立地と濃密な接客による固定客の長期育成

再現条件オーナー自身がバーテンダーとして現場に立ち続けることが必須。15-20坪のカウンター主体小型店で、繁華街の雑居ビル2-3階等の家賃を抑えられる立地で再現性が高い。

オリジナルカクテル戦略:SNS拡散で新規客比率35%

シナリオ繁華街15坪・席数18で開業、季節のフルーツを使ったオリジナルカクテル(ビジュアル映え)10種類を展開、客単価3,800円・回転率1.5回・月商256万円。Instagram経由の新規客が来店客の35%、半年で月商330万円・営業利益率15%へ。固定客と新規客のバランスが取れた構成に。

伸びた要因ビジュアル重視のオリジナルカクテルとSNS拡散の組み合わせ

再現条件カクテル開発・撮影スキルと月次のメニュー更新負荷を許容できる体制が前提。15-20坪の小型店でSNS発信に対応できるオーナー体制が必要。

深夜帯特化:22時以降の客単価+1,500円で利益率20%

シナリオ繁華街20坪・席数24で開業、22時-翌2時の深夜帯メニュー(オーセンティックカクテル+チャージ1,500円)を強化。深夜帯の客単価が4,000円→5,500円に上昇、深夜帯売上が全体の60%。月商320万円・営業利益率20%、人件費比率を30%以下に圧縮できた。

伸びた要因深夜帯の高単価設計と、その時間帯の客動線(2軒目・3軒目利用)への適応

再現条件繁華街・深夜営業可能な立地が前提。深夜営業許可の取得とバーテンダーの夜型勤務体制が必要。

バーで利益率を落とす典型パターン

バー業界で利益率を毀損する3つの失敗パターンです。事前に把握しておくことで予防策を打てます。

新規客頼みの集客失敗:固定客形成失敗で客数が安定しない

シナリオ繁華街15坪・席数18で客単価4,000円・回転率1.5回・営業25日想定で月商270万円計画。新規客中心の運営で開業3ヶ月後の客数が想定の60%、固定客比率20%未満。月商162万円・FL55%・家賃35万円で営業利益は-15万円。

警告サイン開業3ヶ月時点でリピート客比率が30%未満

予防策開業時から固定客作りを最優先課題に設定し、来店3回以内のお客様の名前・好みを記録する仕組みを作る。新規客獲得は最初の半年に集中投資し、固定客比率50%以上になるまでSNS・口コミの仕組みを継続的に磨く。

酒の死蔵在庫:希少酒の抱えすぎで運転資金を圧迫

シナリオ都心18坪・席数20で開業、希少ウイスキー・ジン・テキーラ等を200種類で在庫200万円分を保有。月次のボトル売上が想定の40%、6ヶ月で死蔵在庫(6ヶ月以上動いていない)が120万円に。運転資金が圧迫され、営業利益率が15%→5%に低下した。

警告サイン酒在庫回転率が4ヶ月以下、死蔵在庫が在庫額の50%超え

予防策酒の在庫は80-120種類で構成し月次回転率を1.2回以上に保つ。希少酒は1本ずつ少量で揃え、グラス販売(45-60ml単位)中心の構成にすると在庫リスクが小さい。月次で在庫一覧を作り死蔵していないかチェックする運用を開業時から組み込む。

繁華街の値下げ競争:周辺店追従でカクテル単価が下落

シナリオ繁華街20坪・席数24で客単価3,500円・回転率1.5回で開業、月商315万円。3ヶ月目に近隣バーが集客強化のためチャージ無料・カクテル800円キャンペーンを開始、追従して自店も値下げ。客数+10%でも月商-12%、営業利益率が12%→4%に低下した。

警告サイン値下げ後3ヶ月で営業利益率が値下げ前の半分以下

予防策繁華街では値下げ競争に巻き込まれないため、開業前に『バーテンダーのキャラクター』『オリジナルカクテル』『隠れ家路線』いずれかの差別化要素を確立する。値下げではなく、固定客との会話・特別感の演出で価値を維持する戦略を取る。

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