飲食店の業態別 開業資金ランキング
飲食店の開業資金は業態によって5倍以上の差があります。低投資業態は早期回収が魅力ですが、客単価と客数の確保が難しく、慎重な立地選定が必要です。36業態を業界平均でランキングし、業態ごとの資金内訳と借入のポイントを整理します。
開業資金ランキング(安い順・業界平均)
個店の初期投資 (左) と、上場大手の連結売上中央値 (右) を並べて表示。個店◯◯万円規模からスタートし、上場大手◯億円規模に到達するまでの距離感を把握できます。
| 順位 | 業態 | 個店初期投資 | 規模感 | 回収期間 | 客単価 | 上場大手 連結売上中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | タピオカ・ドリンク専門店 | 550万円 | 小規模(〜800万円) | 3年 | 500円 | - |
| 2位 | 唐揚げ専門店 | 600万円 | 小規模(〜800万円) | 3年 | 800円 | - |
| 3位 | クレープ屋 | 650万円 | 小規模(〜800万円) | 3年 | 600円 | - |
| 4位 | 焼き鳥屋台 | 650万円 | 小規模(〜800万円) | 2.5年 | 2,000円 | - |
| 5位 | カフェ | 700万円 | 小規模(〜800万円) | 4年 | 1,200円 | 590億円 |
| 6位 | アイスクリーム屋 | 700万円 | 小規模(〜800万円) | 4年 | 500円 | - |
| 7位 | 喫茶店 | 700万円 | 小規模(〜800万円) | 5年 | 900円 | 590億円 |
| 8位 | 立ち飲み・大衆酒場 | 800万円 | 小規模(〜800万円) | 2年 | 1,800円 | - |
| 9位 | テイクアウト・弁当 | 900万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 800円 | - |
| 10位 | 定食屋 | 1,000万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 900円 | 931億円 |
| 11位 | 中華料理 | 1,200万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 1,800円 | 556億円 |
| 12位 | 餃子専門店 | 1,200万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 1,500円 | - |
| 13位 | 居酒屋 | 1,200万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 3,500円 | 495億円 |
| 14位 | ホルモン専門店 | 1,300万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 3,000円 | - |
| 15位 | 牛タン専門店 | 1,400万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 2,500円 | - |
| 16位 | 韓国料理店 | 1,400万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 3,000円 | - |
| 17位 | そば屋 | 1,400万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 950円 | - |
| 18位 | とんかつ屋 | 1,400万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 1,800円 | - |
| 19位 | バー | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 4,000円 | - |
| 20位 | ケーキ屋 | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 1,200円 | - |
| 21位 | カレー屋 | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3.5年 | 1,200円 | - |
| 22位 | 串カツ屋 | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 2,200円 | - |
| 23位 | お好み焼き屋 | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 1,800円 | - |
| 24位 | ラーメン | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 3年 | 1,000円 | 350億円 |
| 25位 | スイーツ専門店 | 1,500万円 | 中規模(800〜1,500万円) | 4年 | 1,500円 | - |
| 26位 | ステーキ屋 | 1,700万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 3,200円 | - |
| 27位 | ピザ屋 | 1,800万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 1,500円 | - |
| 28位 | うどん店 | 1,800万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 800円 | 1,552億円 |
| 29位 | 焼き鳥屋 | 1,800万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 3,500円 | - |
| 30位 | イタリアン | 2,000万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 3,000円 | 1,436億円 |
| 31位 | パン屋 | 2,400万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 5年 | 850円 | - |
| 32位 | 牛丼屋 | 2,500万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 4年 | 650円 | - |
| 33位 | 焼肉 | 2,500万円 | 大規模(1,500〜2,500万円) | 5年 | 4,000円 | 328億円 |
| 34位 | ハンバーガー店 | 2,800万円 | 超大規模(2,500万円超) | 4年 | 1,500円 | 2,050億円 |
| 35位 | 寿司 | 3,000万円 | 超大規模(2,500万円超) | 6年 | 4,500円 | 1,592億円 |
| 36位 | フレンチ | 3,500万円 | 超大規模(2,500万円超) | 7年 | 6,000円 | 107億円 |
※ 「上場大手 連結売上中央値」は 飲食上場企業ランキング と同じデータソース (EDINET API V2)。多店舗展開・連結化で連結売上が大きくなる構造です。
開業資金の内訳(業界の標準的な配分)
初期投資の総額は、おおむね以下の費目に分解されます。業態によって構成比は異なりますが、内装・厨房設備が最大の項目になるケースが多いです。
| 費目 | 標準的な構成比 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 15〜25% | 保証金・礼金・仲介手数料・前家賃 |
| 内装・外装工事 | 30〜40% | スケルトン or 居抜きで大きく変動。給排水・電気容量・換気設計 |
| 厨房機器・備品 | 15〜25% | 冷蔵庫・コンロ・フライヤー・食洗機等。リース活用で初期負担軽減も可能 |
| 什器・家具 | 5〜10% | テーブル・椅子・カウンター・棚 |
| 看板・サイン | 2〜5% | 外観サイン・店頭看板・メニューボード |
| 運転資金 | 10〜20% | 開業後3〜6ヶ月分の家賃・人件費・仕入の手元資金 |
規模別の資金調達戦略
小規模(〜800万円)— 自己資金+小口融資
- タピオカ・ドリンク専門店(初期投資550万円・回収3年)
- 唐揚げ専門店(初期投資600万円・回収3年)
- クレープ屋(初期投資650万円・回収3年)
- 焼き鳥屋台(初期投資650万円・回収2.5年)
- カフェ(初期投資700万円・回収4年)
- アイスクリーム屋(初期投資700万円・回収4年)
- 喫茶店(初期投資700万円・回収5年)
- 立ち飲み・大衆酒場(初期投資800万円・回収2年)
自己資金200〜300万円+日本政策金融公庫の新規開業資金(無担保枠で500万円程度)で組み立てやすい規模です。テイクアウト系・唐揚げ専門店は厨房スペースを抑えた小型店舗で開業できるため、家賃負担も抑えられます。一方で客単価が低く、立地と知名度が売上を左右するため、開業時の認知獲得策(SNS・チラシ・通行客向け試食会等)が重要になります。
中規模(800〜1,500万円)— 公庫融資+保証協会の組み合わせ
- テイクアウト・弁当(初期投資900万円・回収3年)
- 定食屋(初期投資1,000万円・回収4年)
- 中華料理(初期投資1,200万円・回収4年)
- 餃子専門店(初期投資1,200万円・回収3年)
- 居酒屋(初期投資1,200万円・回収4年)
- ホルモン専門店(初期投資1,300万円・回収3年)
- 牛タン専門店(初期投資1,400万円・回収3年)
- 韓国料理店(初期投資1,400万円・回収3年)
- そば屋(初期投資1,400万円・回収4年)
- とんかつ屋(初期投資1,400万円・回収4年)
- バー(初期投資1,500万円・回収4年)
- ケーキ屋(初期投資1,500万円・回収4年)
- カレー屋(初期投資1,500万円・回収3.5年)
- 串カツ屋(初期投資1,500万円・回収4年)
- お好み焼き屋(初期投資1,500万円・回収4年)
- ラーメン(初期投資1,500万円・回収3年)
- スイーツ専門店(初期投資1,500万円・回収4年)
居酒屋・カフェ・中華料理・ラーメンなどボリュームゾーンの業態が並びます。公庫の新規開業資金(最大7,200万円)と信用保証協会付き融資の併用で、自己資金300〜500万円+融資1,000万円前後を組み立てるパターンが標準です。事業計画書の精度が審査結果に直結するため、創業計画書の作成は早めに取りかかるのが定石です。
大規模(1,500〜2,500万円)— 計画段階から金融機関交渉
- ステーキ屋(初期投資1,700万円・回収4年)
- ピザ屋(初期投資1,800万円・回収4年)
- うどん店(初期投資1,800万円・回収4年)
- 焼き鳥屋(初期投資1,800万円・回収4年)
- イタリアン(初期投資2,000万円・回収4年)
- パン屋(初期投資2,400万円・回収5年)
- 牛丼屋(初期投資2,500万円・回収4年)
- 焼肉(初期投資2,500万円・回収5年)
イタリアン・焼肉などの中高単価業態で、20〜30坪の中型店舗を出すケースです。自己資金500〜800万円+融資1,500〜2,000万円の構成が多く、公庫単体ではカバーしきれないため、地銀・信金との並行交渉が現実的です。物件契約前から金融機関に相談を始め、事業計画と物件情報をセットで提示できるようにしておきます。
超大規模(2,500万円超)— 計画+デューデリの精度が問われる
寿司・フレンチなど高単価業態の単独店舗で、内装・厨房設備のグレードが上がるためです。融資総額は2,000万円超になることが多く、初回融資だけでなく、開業後の追加運転資金まで見据えた金融機関選定が重要です。回収期間も6〜7年と長くなるため、計画段階で売上の下振れシナリオまで作り込む必要があります。
初期投資を抑える3つの実務ポイント
- 居抜き物件の活用 — 同業態の居抜きは内装・厨房設備の流用で工事費を3〜5割圧縮できる場合があります。ただし設備の老朽化・契約条件(造作譲渡費)も含めた総額比較が必要です
- 厨房機器のリース活用 — 業務用冷蔵庫・食洗機等はリースで初期負担を月額化できます。総支払額は購入よりやや高くなりますが、開業時のキャッシュ温存に有効です
- 補助金・助成金の組み合わせ — 小規模事業者持続化補助金・東京都の創業助成金等は、内装工事や広告費の補填として使える場合があります。採択時期と工事スケジュールの整合に注意してください
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最終確認日: 2026-04-29