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カレー屋の利益率

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業界平均と、その振れ幅

赤い印が業界平均、帯の左端が最小ケース、右端が最大ケースです。同じ業態でも立地と規模で数字は動きます。平均そのものより、自店がこの幅のどのあたりに入るかで見てください。

営業利益率
10% 平均 18% 25%
FL比率
50% 平均 55% 62%
原価率
25% 平均 28% 32%
人件費率
22% 平均 27% 32%

カレー屋業界の営業利益率は 10-25%(平均18%)。本ページでは利益率を決める3要素(FL比率・家賃比率・客単価×回転率)を解説し、現場で使える改善の打ち手をまとめます。

業界平均の利益率 (個店ベース)

指標最小平均最大
営業利益率10%18%25%
FL比率(食材+人件)50%55%62%
原価率25%28%32%
人件費比率22%27%32%
カウンターに置かれたカレーとトッピング、サラダ
カレーはトッピングで単価を積む業態です。ルウの原価が軽いため、1品足すごとに利益が乗りやすい構造になっています。客単価1,200円のうち、営業利益として手元に残るのは業界平均で約216円です。(イメージです)

売上100円のうち、いくら残るか

カレー屋の売上を100として、どこにいくら出ていくかを、36業態の中央値と並べたものです。

カレー屋 28 27 27 18 36業態の中央値 35 25 26 14 原価 人件費 家賃・水光熱・その他 営業利益
カレー屋は中央値より4ポイント多く残る

数値は当サイトが36業態に置いている想定値です。「家賃・水光熱・その他」は、100から原価・人件費・営業利益を引いた残りで、内訳までは分けていません。単位は%。

カレー屋の利益構造

カレー屋の利益式は 売上 - 食材費 - 人件費 - 家賃 - 水光熱費 - その他経費。立地はオフィス街・駅前・観光地・大学周辺が主軸で、ランチピーク特化のためオフィス街・駅前が第一候補。スパイス系は週末家族客取れる住宅街隣接も成立という特性があります。カレー屋業界の FL比率平均55%、人件費比率平均27%、原価率平均28%が黒字化の目安となります。

試算で見る カレー屋 の利益構造

18坪・22・客単価1,200円・回転率3.5回・営業26日のケース

月商240.24万円
FL費(食材+人件)132.132万円
家賃22万円
水光熱12万円
その他経費18万円
営業利益56.108万円(23%)

カレーの利益率は、原価の低さより回転と人件費で決まる

カレーは飲食のなかでは利益を出しやすい業態で、当ページのベンチマークでは営業利益率18%と、飲食全体の平均(8.6%前後)を上回る水準に置いています。ただし、それは原価が低いからではありません。原価率は28%とたしかに低めですが、原価の低さがそのまま利益になるわけではない。利益が残るかどうかを大きく左右するのは、家賃や立地とあわせて、FL比率55%のうちの人件費を、回転でどこまで割り切れるかです。カレーは1杯を短時間で出せて、1人客が食べ終わればすぐ帰る。この回転の速さで、限られた席から売上を積み上げられるかが、同じ原価率でも黒字店と赤字店を分けます。

スパイスの原価は低い。むしろ玉ねぎとトマトが効く

カレーの原価を細かく見ると、意外なところにお金がかかっています。スパイスそのものの材料費は1人前15〜30円と非常に低く、原価の主役はむしろ玉ねぎやトマト、そして肉や具材です。だから、スパイスにこだわっても原価はさほど上がらず、味の差別化と原価管理を両立しやすい。これがカレーの構造的な強みです。サブモデルで見ると、スパイスカレー専門店は原価率が低めで高い利益率を狙いやすく、欧風やカツカレーは具材のぶん原価がやや上がります。トッピングは高粗利になりやすく、チーズ(原価20〜30円)を150円、温泉卵(原価15〜20円)を100円で出せれば、注文率次第で客単価と粗利を上積みできます。原価率28%を保つコツは、原価の重い具材と、原価の軽いスパイス・薬味・トッピングのバランスを設計することです。

回転率だけを動かすと、月の営業利益はこう変わる(18坪・席数22・客単価1,200円・月26日営業)
25 41 56 72 87 102 118 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 回転率(回/日)・縦の数字は月の営業利益(万円)
  • 目標3.5回転(当ページのモデル)
  • 警告ライン2.5回転
  • その他の回転率

回転率以外の条件(客単価・席数・営業日数・原価率28%・人件費率27%・固定費52万円)は動かしていません。0.5回転の違いが月およそ15万円、年間で約185万円の差になります。人件費を売上に連動させた前提なので、シフトを組んだまま回転だけが落ちた月は、これより利益が痩せます。

ワンオペと回転で、利益率が上振れする条件

カレーで営業利益率が上振れしやすいのは、人件費を抑えられたときです。当ページの成功事例では、20坪・席数25のスパイスカレー専門店が、独自調合のスパイスを軸にSNSで発信して集客し、当ページの標準試算1,200円を上回る客単価1,500円・ランチ80分集中で回転率5.2回・月商480万円を作りました。FL比率52%・営業利益率24%で、投資1,800万円を1.7年で回収しています。カウンター中心の小箱でメニューを絞れば、オーナーが現場に入ることで外部の人件費を抑えられる余地があります。ただし、その人件費はオーナー自身の労働時間に置き換わっただけで、店の利益がそのまま手取りになるわけではありません。営業できる時間と体力が、そのまま売上の上限になる点は見落とせません。

回転を作るのは、ランチのピークです。カレーは提供が速く、1人客が長居しない業態なので、昼の限られた時間にどれだけ席を通せるかが売上を決めます。逆に、メニューを広げすぎて提供が遅れたり、滞在の長い使われ方をされたりすると、この回転が崩れて利益が痩せます。カレーの利益は、原価を1ポイント削る努力より、ランチの回転を守る設計から生まれます(客単価の積み方はカレー屋の客単価で扱っています)。

日々の数字で早めに気づく

カレーの利益は日々のランチ回転に左右されるため、月次決算を待たず、日次で追える指標に警告ラインを引いておくと打ち手が早まります。とくにランチ回転が落ちると、提供の速さで稼ぐカレーの強みがそのまま失われます。下表は目標値と、割ったときに先に動かす打ち手です。

指標目標警告ライン割ったときの打ち手
客単価 1,200円 900円未満 トッピング・サイドメニューでアップセル設計強化
回転率 3.5回/日 2.5回未満 提供時間短縮・ピーク帯のオペ集中
FL比率 55% 62%超 原価率・人件費比率を分解、メニュー構成見直し
原価率 28% 33%超 スパイス・肉の仕入先見直し、ロス率モニター
人件費率 27% 32%超 シフト最適化、ピーク以外の時短
ランチ回転率 5回 (11:30-13:30) 3回未満 立地・看板・SNS発信での目的来店設計

カレー屋の利益率を伸ばした成功事例

カレー屋業界の現場で利益率改善に成功した3つのパターンです。シナリオ・伸びた要因・再現条件を併載しているため、自店との適合性を判断できます。

スパイス系ブランド化、SNS拡散で行列店化

シナリオ20坪・席数25のスパイスカレー専門店。独自調合の南インド系スパイスを軸に、SNS (Instagram) で月8万view を獲得。客単価1,500円・回転率5.2回 (ランチ80分集中) で月商480万円。FL比率52%・営業利益率24%・投資1,800万円を1.7年で回収。週末は90分待ちの行列店化。

伸びた要因スパイス調合のストーリーと写真映えするビジュアル設計、SNS週3-5投稿の継続

再現条件スパイス開発に半年以上の試作期間と、SNS運用の継続力が前提。

ランチピーク特化、客席回転率6回超

シナリオオフィス街15坪・席数16のカウンター中心スタンドカレー。客単価850円・ランチ11:30-13:30の120分で回転率6回 (96名/日)、月商268万円。人件費比率23% (オーナー1+アルバイト1.5人)、FL比率48%、営業利益率28%・投資800万円を1年4ヶ月で回収。

伸びた要因セルフ式注文 (券売機+カウンター提供) で人件費を圧縮、ランチ120分の瞬発力に集中

再現条件半径300m圏のオフィス就業人口3,000人以上が前提。住宅街では再現困難。

トッピングアップセルで客単価+450円

シナリオ20坪・席数28のフルサービスカレー、開業時客単価1,100円・月商280万円。トッピング (チーズ・温玉・追加肉・ナン等) を6種→16種に拡充、トッピング追加率35%→68%。客単価1,550円・月商400万円達成、トッピング部分の原価率24%でアップセル利益率33%・月次営業利益+45万円。

伸びた要因トッピング選択肢の見せ方 (メニュー写真・限定感)、レジでの追加提案

再現条件業態問わず再現性高い。メニュー構成見直しと接客スクリプトの整備で実装可能。

カレー屋で利益率を落とす典型パターン

カレー屋業界で利益率を毀損する3つの失敗パターンです。事前に把握しておくことで予防策を打てます。

メニュー過多で提供時間遅延、回転率低下

シナリオ18坪・席数22で開業、当初カレー6種で客単価1,200円・回転率3.5回・月商240万円を達成。半年後にナン・サイドメニュー・デザートを15種追加。提供時間が4分→9分に延び、ピーク回転率が3.0回まで低下、月商205万円・利益率20%→14%に後退。

警告サインメニュー追加3ヶ月後のピーク提供時間が当初比150%超

予防策カレー本体は4-6種に絞り、トッピング (10-15種) で多様性を演出。新メニューはピーク時のオペレーションフローを変えないものに限定。

スパイス在庫管理失敗で原価率35%超

シナリオスパイス系専門店、20種のスパイスを使った独自レシピで開業。仕入れ単位が大きく在庫過剰、賞味期限切れ廃棄が月3-4万円。さらに人気のないカレー種類の食材ロスで原価率が28%→36%へ上昇、月次営業利益が55万円→30万円に低下。

警告サイン原価率が業界平均28%を5pt超える状態が2ヶ月継続

予防策スパイス仕入れは少量多頻度に切り替え、賞味期限管理を週次で実施。商品別の販売数・原価計算を毎月行い、原価率30%超の商品は単価改定 or 廃止判断する。

立地ミス:オフィス需要なしの住宅街でランチ未達

シナリオ都心住宅街で開業、想定平日ランチ客数100名/日に対し実測55名。月商240万円計画→132万円、家賃22万円・人件費65万円・FL費73万円で営業赤字8万円。週末家族客も期待値より少なく、4ヶ月赤字で運転資金枯渇、閉店判断。

警告サイン開業3ヶ月時点の平日ランチ客数が想定の60%未満

予防策出店前にオフィス就業人口 (国勢調査・就業地ベース) を半径500m圏で確認。住宅街なら駅徒歩3分以内+通学路導線が立つ立地に絞る。

監修者の現場コメント

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